卒業研究はどんなふうにやるのか
幸か不幸かウチで4年生する羽目になった学生への情報。
ノルマ
まとまったテーマで実験をしてデータを出し、卒業論文にまとめて、4年の終わりの卒研発表会で発表すること。定期的に行われる参考書や論文を読むゼミに出席すること。
年間通して全く大学に出てこないようなことをやったら、単位を出せないので、卒業できなくなります。
テーマの決め方
ウチでやってるのは、主に液体の分光実験です。手法は、赤外分光とかラマン散乱とか。どういう着眼点でどんな手法でやるかは、こちらでいくつか候補になるテーマを用意して選んでもらったり、特に希望がなければ指定してしまいます。どうしてもこんな材料を使いたいとか、この手法でやりたいといった希望があれば早いうちに言ってください。別の大学や研究機関が持ってる測定方法でも、共同研究できる場合は使わせてもらえることもあるし、まあ、交渉次第なんで必ず可能とは言えませんけど、できるだけ希望をかなえる方向でいきたいと思います。
2008年の春に卒業する学生の一人は、本人の希望で、私がホンダ技術研究所と一緒にやっている研究(分光実験ではないもの)を一緒にやることになりました。
就職活動とのかねあい
就職活動優先です。大学は、卒業した学生が社会でちゃんと活躍してくれてナンボです。現状の日本の「新卒だけが極端に有利」な採用状況を考えると、4年生のうちに行き先をきちんと決めることは重要です。
就職活動には時間も精神力も必要でしょうから、就職希望の人達の進路が大体決まるまでは、実験で追いまくるようなことはしません。できるだけ早めに動いて早く行き先を決めるように勧めています。
といっても、そういつまでも待っていると、今度は卒業研究をする時間が無くなってしまって困ることになります。ですから、目安としては夏頃までにカタをつけてください。夏休みに入る前には実験開始にしたいと思っています。なお、同時に実験もたくさんやってる方が就職活動とのメリハリがついていい、という人は先にそう言ってください。
私のところでは、就職活動のためにゼミの日程を変えるとか、大学に不在になることが多いといったことがあっても、そのことが原因で居づらくなるとか、風当たりが強くなるといったことはありません。
ゼミのスケジュールは、就職活動のスケジュールとの調整になります。次回をいつにするかはその都度決めます。とはいえ、私の方も会議やら打ち合わせやら入るので、時間をずらすことも結構あります。事前にメールで連絡するようにしています。
推薦状が必要な場合は申し出てください。大学の推薦状といっても、学長印のあるようなものは、実際には発行されていないようです。私でよければいつでも書きます。どういう内容のものが欲しいか言ってください。書く時には、内容の補強のためにいくつか質問することもあります。
進学について(博士前期課程)
今時のことなんで、経済的に余裕があって、勉強したり研究したりすることが苦にならないのであれば、修士くらいは取った方がいいかと思います。企業への就職は、修士の学位を持っていた方が有利になることがあります。
ここ数年、卒業研究の研究室配属は、完全に成績順に希望が叶えられるというルールとなっています。本当は別の研究室を希望していたが私のところに来てしまったという人も居るかと思います。
進学に際して研究室を移るのは、全くの自由です。気にせず行きたいところへどうぞ。私も、進学の度に学校が変わってますから。
他大学の受験については、性格との相性もあるので一概には言えません。旧帝大クラスだと、学部のない大学院のみの組織が、実質ほどんど無試験(面接や小論文を課す場合があるが学力試験はしない)で、多数の入学者を受け入れています。行った先の大人数の中で生き延びられるか、ついて行けずに潰れるかは本人次第です。極めて貪欲で積極的な人ならおそらく大丈夫ですが、学部の延長のつもりでのんびりしていて精神的に潰れてしまった人が少なからず居ます。
生活指導
時間で学生を拘束することは、今のところ一切しません。実験内容が比較的危険の少ないもの(劇毒物を大量に扱ったり、爆発事故の可能性があったりしない)だからです。どれくらいのペースで動くとこの程度のデータが出る、といった実感は各自でつかんでください。それも経験のうちです。
学外で実験するときは、数日から1週間程度、深夜まで集中して実験することがあります。事前にスケジュールを決めますし、期間も短いので、これについてはご了承ください。使える旅費と宿泊費に限りがある以上、その期間に集中してやるしかありませんので。

